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Channel: あべまつ行脚
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やさしさの気配 収蔵品展 ・オペラシティアートギャラリー

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 篠山紀信の写真力に圧倒されて
 視界から目玉にパンチを浴びた後に、
 収蔵品展「やさしさの気配」
 このタイトルにホッとします。

 この落差を暗に企てたギャラリーの担当者に敬意を表します。

 このギャラリーに収められた
 寺田小太郎氏のコレクションから。
 個人の柔らかな趣味が展示品から醸し出されて伝わってきます。
 どの作品も室内にその家族と一緒に日々の暮らしを共にして 
 流れる時をゆったり味わう為にそっと存在してくれそうです。
 
 有元利夫
 有元容子
 河原朝生
 小杉小二郎
 彼らの品の良い暖かさを。
 
 奈良美智作品ととまた遭遇し今年彼の鑑賞点数がまた増えたのでした。
 ラフにさらり紙にインクや鉛筆で楽しんで描いた時間もこぼれます。

 立体も何点か真ん中に展示されてます。
 大平弘作品はとてもファンタジックで檜の質感と丸みのある肌質がとても
 しっとりしていて親しみを感じました。
 静かな夢の中を一緒に歩いてくれそうです。

 篠山紀信展と同じく、クリスマスイヴまでの会期。
 振り幅にちょっと面食らうくらい静かな展示です。
 プレゼントしたくなる気持ちも生まれてきます。

 そして、併設されている project N では
 榎木陽子による「サイエンス・フィクション」連作が展示されています。
 2011年の秋、震災と原発事故を期に本人からの申し出があって
 そのテーマに沿って勧められてきたことをパンフレット解説で知ることになりました。

 サイトにもご案内がありますので、ご紹介します。
 こちら

 あのショッキングな震災後、作家本人の母親の不可解なありように
 絵を描かずにはいられない、なにか駆り立てるものに突き動かされたかのようです。
 榎木陽子独自の色使いとタッチには荒削りと思わせる急いだ気配が漂うのですが、
 実はただならない何かを孕んで、ミステリアスな何か不安な気持ちに
 追い込まれてゆくのです。

 収蔵展と合わせての展覧となります。
  
 「顔のない花」  

 

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