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Channel: あべまつ行脚
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日本の美を極める ・ホテルオークラ東京

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 先日、夏休み中の友と連れだって久しぶりにホテルオークラに行ってきました。
 丁度「日本の美を極める」展の開催中、ランチも含めてホテルでの
 ゆったりした時間を楽しんできました。







 お盆の最中ではありましたが、沢山のお客さんが来館されていて
 ランチも随分待つこととなりましたが、
 ホテルでの待ち時間はラウンジでおしゃべりしていればいいので苦になりません。
 
 鑑賞券とランチのセットで少々優雅な気分を楽しみました。
 主婦には上げ膳据え膳が一番のご褒美です。

 ダイニングレストラン、カメリアでカジュアルなフレンチを頂きました。
 もう少し気張れば、ゴージャスなランチが楽しめます。
 来年はそれにチャレンジしてもいいかな?

 ホテルニューオータニの美術館が閉館してしまったので、
 ホテルという環境の元、アート鑑賞できる少ないところとなってしまいました。
 大倉集古館は改装工事のため4年間の休館となっていて、
 あの中華飯店風な空間の保存と改修が待たれます。

 ゆったりお腹も満たされたので、会場に入ってみました。

 清々しいホテルマンのサービスを受けながら鑑賞できるのは気持ちのよいものです。

 展覧会は
 第20回 記念特別展 秘蔵の名品
 アートコレクション展 日本の美を極める 

 というタイトルです。
 毎年開催されているアートコレクション展、初めて伺いました。 
 四季、花鳥、風情という章立ての中、
 日本画の名品が、古くは応挙から、新しくは中島千波まで。
 市川在住の友と一緒だったので、東山魁夷の作は親しみ深いものでした。
 大観の「夜桜」は大倉集古館の名品として有名ですが
 六曲一双の屏風を真っ直ぐフラットにしないで、自立した屏風の形で展示されていたのは
 壮観でした。とかく左隻の方が代表に
 取り上げられますが、
 右隻の静けさと併せて見ると一層左隻の華やかさが強調されるように思いました。

 前田青邨の「みやまの四季」この温かな梅の木に集まる鳥たちの姿、
 一本の木が四季を表している華やかさと移ろいが凝縮されていました。

 芸術大学美術館で高橋由一の展覧でみた「墨水桜花輝耀の景」と再会です。
 広重風に桜の枝を手前にクローズアップし、遠く隅田川を描くものですが、
 桜の花びらの油彩が放つ生々しさに息をのむのです。

 上村松園を4点見ることができました。
 松篁、淳之の作品も展示されています。
 山種コレクションで学んだ世代の画家達の競演でもあります。
 竹内栖鳳の屏風、「河畔群鷺」の静かな緊張感を金地の屏風仕立てにする
 そのかっこよさに痺れました。
 その栖鳳の作品を人気投票に一票入れてきました。

 岡本秋暉「花卉孔雀図」孔雀の羽の描き込みが流れる波頭とからんで
 絢爛な中にも濃厚な陶酔がありました。
 
 清方の女性の姿はどんな作品にもしっとりとした情感があります。
 島成園の片肌を見せた女性図は貼り交ぜられた色紙の図が
 伊勢物語か、源氏のようで一層艶めかしい一場面となっていました。
 
 大智勝観「梅雨あけ」この作品を初めて見ましたが、とても静謐で
 ドクダミの群生や、竹の若々しい葉などすぐ側にあるものがとても
 品ある質に浄化されて見えました。

 他にも高山辰雄、奥田元宋、加山又造、川合玉堂、橋本関雪、木島桜谷、
 伊東深水、小倉遊亀、などなど近代日本画壇が続々。
 
 小冊子となった図録がコンパクトでお値段も300円という便利なものでした。


 この展覧は今月末31日まで。
 純益は日本赤十字社を通して社会貢献されるそうです。
 そして、今年20回を迎えたということ、このままずっと夏のイベントとして
 継続されていくことを願っています。

 都会の喧噪から離れて、ちょっとしたオアシスタイム、
 良い時間を過ごすことができました。
 来年も又、楽しみとなりました。 

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