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いつか見た風景 北井一夫展 ・東京都写真美術館

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偶然にも先輩知人の友人に写真家、北井一夫さんとの交流があります。
 それで、この大々的北井さんの個展を関係者として参加し、
 盛り上げようと内覧会にお招き頂き、参加してきました。

 旧知の関係は色んな事がめぐってきます。
 有り難い事ばかりです。

 北井一夫さん、お若い方には余り知名度がないかも知れません。
 1944年、中国満州鞍山(あんざん)で生まれ、
 すぐに三重県に引き上げます。
 父親の家業が真珠の商いだったそうです。
 その後、上野入谷に移住します。
 幼少期は深川で育ち、中学時代には神戸に引っ越します。
 学校と合わなくて悶々とした青春期を過ごしますが、
 美術大全集30巻を読むとか、美術館に通ったり、絵描きになろうとしたとか、
 美術への傾倒が進みます。
 デッサンが出来なかったが為に日本大学芸術学部写真科に入学するも、
 早々と馴染まなくなり、中退
 以降1966年から神戸の港湾労働者、学生運動、全共闘占拠などを撮り続ける
 アサヒグラフ表紙に掲載される
 つげ義春と旅をする
 「のら社」結成
 「三里塚」写真集発行
 72年、日本写真協会新人賞受賞。渡仏放浪
 木村伊兵衛と11人の写真家と中国へ
 76年第一回木村伊兵衛写真賞受賞
 以降、写真展を重ねて活動してきた、という経歴をお持ちの方です。

 今回の個展はその北井さんの仕事を通史するような時間の流れで
 構成されています。
 
 ギャラリートークで北井さんが仰ってたことで印象的だったのは
 当時の写真のスタイルとして真逆を行こうと思ったそうです。
 学校で学ぶべききれいな写真に反抗したかったのかも知れません。
 また、カメラへの拘りが面白く、
 高級なレンズには興味がないんです。
 カメラは3台だけです。
 写真集はいつもモノクロ。今回の展示も全部モノクロです。
 その作品は、時代と共にどんどん被写体が変わります。
 どす黒かった昭和の混沌の過激派、三里塚から、
 「いつか見た風景」に現れるのはたくましい地方の人の営みです。
 それから「フナバシストーリー」
 当時の市長さんも会場内に駆け付けてました。
 ついには「おてんき」になると生き物への接写です。
 そして「1990北京」「ライカで散歩」
 ゆるゆるとしたほっこりした北井さんの視線が注がれます。
 最終は「道」
 震災後の福島を撮った作品群です。

 北井さんは、本当にほっこりとした姿で尖った部分が一つも見当たりません。
 主張するパワーの出力の方向が他の写真家と違うのかも知れません。
 「写真力」の篠山紀信さんとは真逆な存在ではないでしょうか。
 北井さんのエッセイを紹介します こちらです
 写真美術館eyes 記載記事から こちら
来年1月27日までの開催です。
写真美術館の他の展覧にあわせて、北井さんのモノクロ世界へぜひ。
写真美術館のサイトはこちら

写真について、全くの素人で、不勉強なのですが、
「写真力」の篠山紀信と同時期にこの北井一夫展を見ることが出来たのは
何かの縁だと思うのです。

須田悦弘展・須田悦弘による江戸の美 ・千葉市美術館

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 須田悦弘作品を初めて見たのはいつだったでしょう?
 何年か前に東京美術倶楽部で開催された「正木美術館展」
 その意表を突かれた登場にいまでも驚きを忘れません。
 茶室しつらいの場所に多分、蹲というやきものの掛花に白い椿が
 生花の代わりに何事もなかったかのように挿してあったのです。
 衝撃でした。
 お茶の世界で茶花はたった一つ外界との接点で
 お茶室に瑞々しい空気を吹き込む使者であるとの認識が崩れます。
 未来永劫枯れない花を入れて良いのかと驚きました。
 しかし、それは諧謔趣味だし、お客様との間を取り持つ
 花という見立てになるし、死後の形である復活かも知れないし、
 充分素晴らしく茶花として通用するかもしれない、
 などと思い巡らせ、得心したのでした。
 
 そして大倉集古館での「根来展」
 一階の二月堂しつらいのケースの中で拝見しました。
 そこには二月堂の焼経が掛けられ、
 その下に根来のお水取り用の丸盆。
 その横だったか、やはり椿がふわりと置いてあったのでした。
 紅だったと思うのですが、のりこぼしだったかもしれません。
 以来、美術雑誌などで度々作品やインタビューなどをよく拝見するようになりました。

 なんという繊細な生々しい仕事をされる作家さんだろうと
 注目してきました。

 今年、会員になっている千葉市美術館の展覧予定に
 須田悦弘展の案内を見つけて千葉市美の企画に大喝采です。
 よくぞやってくれました。
 会期が始まってしばらくでして、従妹の赤ちゃんの美術館デビューをかねて
 月曜日開館に行くこととなりました。

 現地で旧友も合流しました。

 会場は薄暗く、なにやらブースが点在しているような不思議なアトラクションのよう。
 靴を脱いで緊張感ある狭い入り口から入ります。
 まるで祭壇に向かうようで、一人作品と向かうシステムです。
 隣に誰も入り込めません。
 つまり、作品を見せる器、小屋、それも須田悦弘作品だということでした。
 いけばなが飾る場所を大事にするように、
 お茶器を茶会にどう映るかを思案するように、
 場と作品との関係を大切にする作家さんだということが
 それだけで伝わります。
 立体掛軸、そんな様相もあるのではないでしょうか。

 今まで通った千葉市美術館の会場が全く違うもののように見えたのは
 須田悦弘マジックによるものでした。

 会場ではどこに作品が展示されているのか、
 それを見る人にゆだねています。
 リストを頂いても展示場所を記されていません。
 見つけたあなたとの関係を大事にするのでしょう。

 途中、作品探しに難航している小学生の男の子とおばぁちゃんと
 一緒に発見できたときは、同士のつながりが芽生えたりしました。

 会場は8階と1階。
 1階のさや堂はもと銀行だったという天井の高い明治の香りのするステキな建築物です。
 須田さんの遊び心にもてあそばれた感もじれて楽しい思いをしました。

 関連展覧として、7階で「須田悦弘による江戸の美」という千葉市美の所蔵品との
 コラボレーション展示です。
 この展示がまたとてもすばらしく、特に浮世絵の展示には
 今まで見た浮世絵展示の最高ではないでしょうか。
 ゾクゾクしました。
 薄暗い部屋にぼうっと浮世絵だけがひらひらと光って浮かんで見える仕組みに息をのみました。
 浮世絵サイズのケースが林立し、覗く混むように展示されているのです。

 後のケースでは須田悦弘作品とのコラボレーションです。
 いったいどこに作品が隠れているのか、
 かくれんぼの鬼の気分です。
 屏風からは描かれた花房から一つこぼれたようにそのもとにぽっと
 落ちていたり、
 ほんの隙間に朝顔が乱れ咲いていたり、
 風で飛ばされた木の葉が吹きだまりに落ち着いていたり、
 どこまでも見る人を遊ばせてくれます。
 ただ美しい花、草花に目を向けるのではなく、
 見ているものの虚実性に遊ぶ、そんなしゃれっ気と
 つい嵌まってしまう罠にわざわざ引っかかり行くような可笑し味、
 そんな楽しい仕掛けに出会えます。

 この展覧に作られた図録がまた素晴らしく、
 漆への拘り、作品への愛着に心惹かれたのですが、
 このシャープな写真は誰が撮ったのだろうと思ったら、
 ご本人、須田悦弘さんなので、またまたビックリさせられたのでした。
 麗しい作品集と、制作の足跡、インタビュー記事など満載です。

 会期は12月16日までです。案外早く終わってしまいます。
 これは本当に素晴らしい展覧でした。
 
 会場はカメラ撮影OKという素晴らしい特典があります。
 存分に須田悦弘作品を堪能できます。

 記事が長くなってしまったので、
 現地会場での拙写真画像は,次のブログにアップします。

 美しい千葉市美のサイトはこちらから

須田悦弘展・須田悦弘による江戸の美・千葉市美術館 (あべまつ写真画像編)

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 これらの作品が全て朴の木で彫られ、着色され、花となって
 姿を現したものだという、それだけでも
 興奮します。
 
 花も泰山木の大きな花から、薔薇、ユリ、睡蓮、芙蓉、椿、
 それから露草、桔梗、朝顔、小さな雑草、にいたって
 多岐なようで、何か通じるものがありそうです。
 
 静かに付き合えるまで、
 そのときめきから心放たれるときがいつ来るのかも
 楽しまれているのかも知れません。

 iPhone片手に舐めるように堪能してきました。

追記 須田さんの影響で路上観察でこんな写真とってしまいました。

アート好きによるアート好きのための図録放出会 Vol.2

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 昨年開催された図録放出会がとても好評だったので、
 やはり第2回はいつでしょう、という声に押された
 会の裏方さん達、またまた動いて下さいました。

 11月23日祭日。お昼から夕方まで。
 新宿の家具屋さんの3階が会場となっての
 開催にフクヘンさんとタケさんのトーク企画もあったりで
 パワーアップしてきました。
 これがみんな、ボランティアで、集まったお金は
 東北大震災被災地でのアート活動に廻るとのこと。
 なんて熱い人達なんでしょう。

 かくいう私は沢山の図録が集まるという情報に
 今回は図録バッグを提供するくらいかな、
 と期日に向かってミシンをガタガタいわせておりました。

 実はどういうわけか布が山のように集まっているので、
 単純なバッグならばなんとか直線縫いのミシンでできそうだと
 上手くないし、大変だけれど,楽しんで作りました。

 出来たのは真っ黒助のものと、
 渋いグレーのもの。





 だいたい手に持つものは色鮮やかなものとは無縁なのです。
 一度動き出すとドツボに嵌って突撃体制になってしまうのも、
 生涯変わらない性格でしょうね。

 14品できました。

 図録を買った人にお役に立ちますように。

 家中の図録を整理するとまた果てしなく時間が経過していきます。
 去年の図録会の反省で、
 相当好きなものでない限り、記念グッズなどもいい加減にしようと
 誓いを立てていました。
 その誓いは現地で一瞬に崩壊します。

 何でうろうろ見なければならないのか、
 胸に抱えているものは何か、
 こんなに重くなって誰が持ち帰るのか、
 しかし、目に入るステキなものの景色は興奮させる素晴らしい世界。
 
 それで、一回クールダウンしようと会場内の椅子に腰掛け
 中身をチェック。
 ブログつながりの方々とも楽しく歓談出来ることも楽しみの一つです。
 今回は友人にも声を掛けてみました。

 で、結局おそろしく素晴らしい垂涎ものの図録2冊に絞り込んで、
 決めたのでした。
  *根津味術感開催中の「柴田是真」
  *6,7年前の都美で開かれた「バークコレクション展」
 これは相当に満足です。ご満悦です。





 フクヘンさんと、青い日記帳のタケさんはまるで家具屋さんに出来た
 リビングでリラックス状態の中、
 溢れる情報量とそれをつなげていく編集力で
 聴衆の人達をアートの魅力界へずんずん引っ張っていってくれました。



 その模様はフクヘンさんのHPにも紹介されています。
 (流石としかいいようがないまとめっぷりと画像も嬉しいです)

 私が好きなアート鑑賞を続けているお陰で
 登場人物やら、お話のキーワードやらを少しだけですけれど
 お、これはわかる、という瞬間があったことがなにより
 ほくそ笑んで、嬉しいトークでした。

 ただ好きなことを追いかけて一人妄想に耽るのも楽しく、盛り上がるのですが、
 こうしてアート好きのためのイベントを
 惜しげもなく企画運営されている
 タケさんを始めそのお仲間達に称賛の嵐の花吹雪を散らしてあげたい気持ちで一杯です。

 続々とそのアートの輪が広がり、大げさだけれど
 キュウキュウとした閉塞感ある生活に
 豊かな風が吹くことを応援したい、そう思った図録放出会でした。

 二階に住む一介の中高年主婦が出来ること、そんな大それた事は出来ませんが、
 熱い人達を単純に応援する、その位は出来るのではないだろうか、そう感じたのでした。

 本当に、ひたすらアートが好きで、無欲で熱い人達に
 幸あれ!!

 いつだって応援し続けます。
  
 詳しいことはタケさんのブログでチェックしてみて下さい。こちら
 フクヘンさんこと、鈴木芳雄さんのHPサイトもぜひに。本にして欲しいくらいの内容です。こちら
 

中村勘三郎 逝く

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今朝、テレビから一瞬目を疑うテロップが見えて、心そぞろに画面に釘付けになりました。

  歌舞伎役者の中村勘三郎さんが
  急性呼吸窮迫症候群のため、
  5日午前2時33分、文京区の病院で亡くなりました。57才でした。

えぇ‼ちょっと、これ、なに⁈

少し前に人工肺を付けているそうだ、とかとても信じられない状況にいる事を噂にきいていましたが、
たとえどんなに厳しい現実があるにしても
あの勘三郎さんのことだからきっと不死身で復活されるに決まってると意に介さないでいました。

思えば、あまりにもハチャメチャに動きすぎました、働きすぎましたよ。

歌舞伎にいつもフレッシュな風をいれる面白いことをいつも考えてました。
コクーン歌舞伎は「伝統の」という壁をぶち破って、串田和美さんを演出に迎えたり、
椎名林檎さんに音楽を依頼したり驚く事を楽しんでいたのではないでしょうか。
ニューヨークまで小屋ごと持って行っちゃいましたしね。
活動は歌舞伎ばかりじゃなく、多岐にわたっていました。
そういえば、藤山直美さんとの共演でサーカスの新劇みたいなお芝居見ました。
演舞場だったかな?記憶が朦朧体です。
テレビにも、映画にも。
バラエティ番組にも。

今年のご長男の勘九郎襲名は随分急いだような気がしたけれど、
勘三郎さんの胸の内には急ぐべき事態を感知していたような気がします。

大きな柱に頼り切って歌舞伎の大船はいつも賑やかで、眩しく輝いていました。

歌舞伎座の改修工事が始まってから
何故か歌舞伎を見ていません。
一幕見る時間があれば一番上の一番安い席に駆け込んで見に行った学生時代。
母とも出かけました。
祖母もよく通ってました。
あの時は玉孝時代で賑やかでした。
仕事に没頭していた時や、結婚し、子育て中や、
闘病中には、なかなか見に行かれなかったけれど、
ようやく息子に手がかからなくなり、
午前からの幕に喜んで出かけました。

あべまつブログにも感想をあげていました。
  最後はこちら。
  コクーン歌舞伎の三人吉三はこちら。
 
最後に見たのは歌舞伎座の忠臣蔵だったのでした。

 大輪の 花首落ちて 忠臣蔵 あべまつ

18代勘三郎襲名からあっと言う間に。







決して美男子じゃなかったけれど、
人情に篤い、チャーミングないい男でした。
芸はいつみても安心して見ていられる旨さがあったし、
ユーモラスで、ちょっと色気の出しどころの間の
いやらしいほどのタイミングに何度も悩殺されました。
ずるいな、この目は、という場面も多々ありました。

これから、
これからが大事です。

大きすぎる役者だったことをこれから残されたものが
ビシビシ感じる現実が待っています。

芸道のなんという厳しさでしょう。

命を賭ける、人生を捧げる「道」があることの天命を
宿命としてきた生き様を尊敬するしかありません。
凡人であることに安堵しつつも、これからの歌舞伎のありようを
しっかり応援し続けていきたいと誓うのでした。

中村勘三郎、可愛い、気持ちのいい役者でした。
ありがとう。中村屋。中村勘三郎!!日本一!!!

東京国立博物館 本館・秋の庭園開放 ・東京国立博物館 

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 ふと、今年は紅葉狩りをしていないことに気がついて、
 急遽上野まで出かけてきました。
 今日は金曜日、トーハクは夜間開館20時までたっぷり見ることが出来る日。
 晩ご飯の支度、という主婦の仕事があるので、
 閉館までいることは出来ないけれど、
 そうだ、トーハクに行こう!と思い立って行ってきました。

 上野文化会館前の銀杏の大木は見事な黄色に染まっていました。
 字面も黄色に埋まって枯れた葉の匂いも秋を感じます。

 トーハクは春秋に庭園開放をします。
 開放は明日まで。
 ギリギリ間に合いました。

 色づく木々の深みに吸い込まれるように
 森林浴を楽しみました。









 ゆるゆる庭園散歩を楽しんで、
 平成館の「中国の王朝の至宝」展を鑑賞。
 やはり、見ないと伝わらない、実物の力にため息でした。
 見所満載です。
 兵馬俑の兵士を間近に見ることも、
 羽人(うじん)の不思議な容姿も、
 金銅、玉、陶磁器、木、漆、などの素材の素晴らしさ。
 正倉院に繋がるような螺鈿の鏡。
 紀元前11世紀から始まる国の凄さ。
 宋時代が一番新しいものという展覧。
 深いです。

 それから本館に寄りました。
 見てきた画像をご紹介してみます。
 しかし、トーハクはお宝をこともなげに。
 
 「グラスゴーからきた西洋画」スコットランドからこんな西洋画が日本に届いていたのですね。
  シンデレラも!



  本館特別1室 12月24日まで。
  茶の美術のコーナーには大井戸茶碗、有楽が久しぶりに一人舞台です。
  さりげなく、志野茶碗の橋姫も黄瀬戸茶碗と登場です。





  他、若冲の「松梅群鶏図屏風」やっぱりカッコイイです。





  芳中の小可愛らしい鶏の掛け軸が隣にいました。
  Bunkamuraで開催される「白隠」さんもいらっしゃいました。



  「根付」の特集も圧巻でした。





  
  次回の円空さん展に期待しますが、木喰さんが仏像コーナーに
  展示されたのは初めてではないでしょうか?



  ラストは御舟。


  これです。

 あぁ、楽しかった、と思ったその瞬間に
 トーハクの玄関でカチャカチャガラスが揺れるような音が続いています。
 なんだろうと不思議に思っていたら、
 地震、だったのです。
 うわ、国のお宝が、中国のお宝が!!!

 そして私の帰路の足は大丈夫だろうか!!

 博物館の係の方々もちょっと慌てて危ないですからケースから離れて
 しばらくお待ち下さいと。
 
 こんな立派な国立の建物の中にいるのだから、
 身の危険は感じなかったけれど、
 兵馬俑は大丈夫だろうかとか、色々心配が起こりました。
 Twitterでも情報が続々と入ってきます。
 
 2、3分で早く駅に向かおうと思って
 歩き出しました。
 案外、上野駅は混乱がなさそうで、安心しました。
 地元への電車も多少の遅れが生じたくらいでホッとしました。

 何が起こるかわからない毎日です。
 
 明日もきっと面白いことが発見できますように。

東京国立博物館の秋の庭園開放 続編

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前回のトーハク訪問記、続編画像をご紹介します。
秋の色をお楽しみ頂けると思います。



トーハクに新しいキャラクターがお迎えしてくれました。



東洋館が来年2日にリニューアルオープンです。
その入り口にツインの可愛い獅子丸君登場です。
邪気を払ってくれそうです。



庭園開放入り口からすぐに見える景色です。
向こうに見えるのは「春草廬」
 (トーハクの説明より)
 江戸時代、河村瑞賢(かわむらずいけん1618〜1699)が摂津淀川改修工事の際に建てた休憩所で、
 その後大阪へ、さらに原三渓(1863〜1939)に よって横浜の三渓園に移され、
 昭和12年(1937)に埼玉県所沢市にある松永安左エ門(耳庵・1875〜1971)の柳瀬荘内に移築されました。
 昭和 23年に柳瀬荘が当館に寄贈され、昭和34年に春草廬は現在の位置に移されました。
 入母屋(いりもや)の妻に掲げられた「春草廬」の扁額は、
 能書家として 知られる曼殊院良尚法親王(1622〜1693)の筆で、三渓が耳庵に贈ったものです。



そして、真ん中にある池からの眺望です。



丁度、お茶室のお手入れをされているところに遭遇して
茶室内を撮らせてもらえました。
トーハクのお茶会に参加してみたいと思いつつ、未体験ですが、
今年も盛況だったそうです。
お茶室の「転合庵」(てごうあん)の看板がよく見えました。
 (トーハクの説明より)
 小堀遠州(こぼりえんしゅう 1579〜1647)は八条宮から茶入「於大名(おだいみょう)」を賜った際に、
 その披露のために京都伏見の六地蔵に茶室転合庵を建てました。
 1878年、京都の寂光寺に伝わっていた転合庵を、渡辺清(福岡県令、福島県知事、男爵)が譲り受け、
 東京麻布区霞町に移築。その後、三原繁吉(日本郵船の重役。浮世絵コレクター)へと所蔵者が変わっています。
 三原は茶入「於大名」も入手し、茶室転合庵とゆかりの茶入「於大名」がここで再び巡り合うこととなりました。
 その後、塩原又策(三共株式会社 今の第一三共の創業者)を経て、
 妻の塩原千代から1963年に茶入とともに当館に寄贈されました。 





こちらは「六窓庵」
垣根の箒垣根に杉本博司の原美術館での箒垣根を思い出しました。
 (トーハクの説明より)
 慶安年間(17世紀中頃)に奈良の興福寺慈眼院(じげんいん)に建てられた金森宗和
 (かなもりそうわ 1584〜1656)好みの茶室。
 もとは興福寺大乗院 内にあり現在奈良国立博物館に移された八窓庵、
 東大寺塔頭四聖房の隠岐録(おきろく)とともに大和の三茶室といわれました。
 明治8年(1875)に博物館 が購入、解体輸送中に伊豆で船が難破しましたが、
 幸い材は流失をまぬがれて明治10年に当館に移築されました。
 その後、第二次大戦中再び解体され疎開しま したが、昭和22年(1947)9月、
 数寄屋の名工木村清兵衛により現在の位置に再建されたものです。
 水屋、寄付、腰掛などは明治14年に古筆了仲(こひ つりょうちゅう)によって設計、増築されたものです。
 にじり口にある手水鉢(ちょうずばち)は四方仏水盤といわれる形式のもので、
 延長3年(925)関白 藤原忠平が建立した山城国法性寺の石塔のひとつでした。
 その後、銀閣寺を経て所有者がいく人か変わり、明治18年に博物館の所有になりました。






ここは一番奥の大きな建物、「九条館」
こちらでは様々なイベントなども行われているようです。
庭園内のお茶室は申し込めば誰でも利用できるようで、
使われているからこそ建物も生き生きとしているのだと感じます。

 (トーハクの説明より)
 もと京都御所内の九条邸にあったものを東京赤坂の九条邸に移した建築で、
 当主の居室として使われていました。昭和9年(1934)九条家から寄贈され、
 現在 の位置に移築されました。
 床張付、襖などには狩野派による楼閣山水図が描かれており、
 欄間にはカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされています。





ぐるっとまわり、本館の目の前からの景色です。



こちらの色鮮やかな紅葉は
応挙館の裏にある、ミツデモミジの木と思われます。
 (トーハクの説明より)
 尾張国(現在の愛知県大治町)の天台宗寺院、明眼院(みょうげんいん)
 の書院として寛保2年(1742)に建てられ、
 後に東京品川の益田孝(鈍翁・ 1848〜1938)邸内に移築、
 昭和8年(1933)当館に寄贈され、現在の位置に移されました。
 室内に描かれている墨画は、天明4年(1784)、
 円 山応挙(まるやまおうきょ 1733〜1795)が明眼院に眼病で滞留していた際に
 揮亳したものであると伝えられています。床張付に老松と石と竹、腰障子 に稚松と石と竹を描いています。

 ※ 応挙館の障壁画については、作品保護のため複製画に差し替えました(2007年8月)。

 



秋の吹き寄せ のような鮮やかな落ち葉に緑の苔がとてもよく似合っていました。

かさこそと鳴る葉音も軽やかに、自然の営みの英気を沢山吸い込んで
とてもリフレッシュできた時間でした。

急に寒くなりましたが、
自然界の暦は確実にきちんと動いているのだと感心しつつも
励まされる気もしました。

来年、春のさくらの頃の庭園まで、しばらくは冬支度を終えて冬眠です。
静かに年を越す間にもお手入れの方々の苦心も偲ばれます。

2012年度 アート鑑賞ベスト10

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 2012年、この一年はバラエティに富んだ一年だったように思います。
 様々、家庭の事情などの足かせもありながら
 ワクワクしたことの展覧を思い出しながら
 振り返り、ベストテンを上げてみます。

  
 1.美術にぶるっ展 国立近代美術館
   近美に通う間にお気に入りの絵との対面が楽しみになってくる。
   館の所蔵名品が展示室のリニューアルと共にずらりお目見えした。
   今更ながらその収蔵品の重厚、かつパワフルな作品群にくらくらした。
   リニューアルされた館内はいつもの名品が違って輝いて見え、
   もう一度惚れ直した、という作品も生まれた。
   実験場の展示は激しかった現代の変遷の中で
   現場を具に見つめてきたその証がジリジリ迫ってきた。
   これは再度会期終了までに見ておきたい展覧だと思う。

 2.須田悦弘展 千葉市立美術館
   展示室まるごと作品化していて、そのワクワク感は他になかった。
   作り出している草花の形は現か夢か。
   見ている人を翻弄する遊び心満載だった。
   展示室の光もまた作品を一段と引き立てていた。
   現代の見立て演出家だと感嘆した。
   見せる、魅せる、ということを最大に感じた展示だった。

 3.アラブ展 森美術館
   現代アラブ諸国のアーティストの展覧という意表を突かれた展示。
   日本にいてはその現場を知るすべがないが、
   淡々とビデオを制作する作業の中から
   ほんの一握りでもあたたかさを、一筋の光を、
   厳しい現実からの切なる命への賛歌を見た気がして、
   かなりショッキングな展覧だった。
   虐げられる、ということはどういうことなのか、
   その言葉を体験していないことに感謝するべきなのか。
   激しさはマイナスに縮まったバネがあるからなのか。
   黒々としたオイルの噴水が音を立てて吹き出し続けている。
   森美術館の最近の企画展はかなり良い感じだ。
   イ・ブル展も秀逸だった。
   現在展覧中の会田誠展は来年早々にじっくり対決してきたい。
   今後の展示にも期待!

 4.はだかから被服へ 原美術館
   かねてからその存在に憧れに似たものを抱いている、
   杉本博司による展覧。
   同時期に映画「はじまりの時」をみたが、
   したたかな目線、妥協を許さない美への拘り、
   そして壮大な宇宙観と手のひらのあたたかさ。
   デュシャンと利休を具現して見せてくれた。
   杉本文楽を見逃したのは痛恨の極み。
   次回はお能か。
   杉本氏の原美術館全体をはだかにし、被服したのはやっぱり凄技だった。
 
 5.松井冬子展 横浜美術館
   作家そのものの女性としての感性に興味を持っているが、
   興味は時に下品な好奇になりがちになる。
   それでもそんな視線をもろともせず、淡々と髪の毛の線を引く。
   その戦闘的ともみえる痛々しさは、実は解放への道のりだと気付く。
   生々しい傷跡は共感者にだけに捧げられる菩提図なのかもしれない。
   空恐ろしい作品の裏をめくると
   花の香りたゆたう浄土が待っているのだと思いたい。

 6.フラワースケープ 川村美術館
   酷暑の夏、川村美術館は花盛りとなっていた。
   「花」にまつわる様々なジャンルの作家たちの
   百花繚乱に温室のむっとした命の充満の香りをかいだ。
   企画者の言葉が生き生きとしていて、
   その思いは図録に集約されていた。
   今年のお気に入り図録でもある。
   道のりも、美味しいレストランもセットで
   フラワースケープだった。

 7.川村清雄展 東京江戸博物館
   もう一つの川村清雄展 目黒区美術館
   2館で川村清雄に光を当てた展覧会が開かれた。
   東京国立博物館で時々近代絵画のコーナーで「虫干し」
   という作品を見てきたが、作家の名 川村清雄を意識したことがなかった。
   改めてその人生を辿った資料とともに、
   素晴らしい作品群を制作してきたことに驚愕した。
   なにしろ品が良い、洒落っ気がある。
   留学し洋画をものにしてきた画力に支えられた作品は
   徳川家に仕え、勝海舟に愛されてきたという人徳も滲む。
   コローのような風景画から
   是真の漆画のような工芸品まで気負いのない都会的な香りがする。
   和魂洋才という言葉が実にしっくりする。
   装幀デザインも小粋だ。
   だいたい、ご本人が良い男ぶりなのだからファンも少なからず
   いたことだろう。
   神宮の絵画館に行ってみたいと思っている。
   「虫干し」は勝海舟が亡くなったときの作品とのこと。
   色々なメモリーが刻まれているということなのだろう。
   大きな存在であることを刻んだ展覧だった。
   
 8.御伽草子展 サントリー美術館
   むかしむかしの物語は夜のお供で人々の夢を膨らませていたのだろう。
   その形が絵と文字によって語り継がれてきた、御伽草子。
   そのお話の一群がサントリー美術館の収集力で堂々の展示となった。
   物語が流行した時代の憧れと裏話と、願いを沢山見た気がした。
   大人のファンタジーは文楽にもつながり、
   子どものものではなかったということも興味深かった。
   「おもしろびじゅつ」展も夏休み特別バージョンで大いに
   楽しんだことも印象に残った。    

 9.ボストン美術館展 東京国立博物館
   アメリカのボストン美術館の日本美術収集は岡倉天心の尽力なくして
   語れないのだが、その館蔵の名品達が里帰りした。
   この日本で見ることが出来る千載一遇のチャンス到来と
   心待ちにしていた。
   奪われた日本美術、ではなく、アメリカに渡って生き延びてきた日本美術。
   その文化芸術工芸の高度な技術力を持った清々しい精神性は
   他の追随を許さなかったから、
   海外でも立派にリスペクトされてきた証拠品の数々でもある。
   ボストンで生き延びてきた国宝クラスの名品たち。
   流石の垂涎もののオンパレードだった。
   海外からの評価を頂いて日本美術の素晴らしさ、凄さを思い知る
   呑気な日本人で良かったと思っている。
   ご本人達はいたって日常の粋を楽しんできたのだし。
   それを愛でる目を忘れないようにしたいもの。 

10,マウリッツハイス展 東京都美術館
   一夏の狂乱としての展覧であったとしても、
   その名品の高水準に驚いた。
   フェルメールの青いターバンの少女への注目度の熱狂も破格だったけれど
   レンブラントの肖像画ズラリはは鳥肌ものだった。
   オランダの栄華の一時代、煌めいた画家たちの作品は
   今もその光を失わないまま、画力を見せつけてくれた。
   また、いつも活発な活動をされているアートブロガーの
   タケさんの展覧会グッズ、図録への執筆参加など
   嬉しい活躍も印象深い展覧だった。


 *番外 東京アートフェア シャッフル? 国際フォーラム
   美術評論家、美術史家、明治学院教授、山下裕二先生企画展示が
   アートフェアに現れた。
   そこの会場だけが別世界でまるで古美術店のようでもあった。
   山下先生の眼で集めた作家さん達の作品群は
   芦雪と仏手と松井冬子と佐々木誠、中央には縄文サークル。
   これには痺れた。
   ジャンル分けのつまらなさと時空をシャッフルすることの
   自由さにもっとものをラフに感覚で遊ぶことを教わった気がする。

 さて、皆さんはどんな一年だったでしょう?
 ブログ記事がたまりにたまってぐずぐずした状態になってしまいましたが、
 それでも沢山の色んな情熱の塊と遭遇できた素晴らしい一年だったと思います。
 (年末までに何か書けることを考えながら)
 メリークリスマス☆ 

謹賀新年

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明けましておめでとうございます。

この一年、皆様におかれましても
素晴らしい一年となりますこと祈念申し上げます。

昨年は何やらバタバタした一年となりました。それでもなんとか支障なく元気に過ごせました。

このブログへのアクセスも減らずにご贔屓頂いているようで、ありがたい限りです。
こんな拙い独りよがりなあべまつ行脚ではありますが、今後とも宜しくお願い致します。

今年は、夫の年男に年月の重さに驚きますし、愚息はいよいよ大学受験生という厳しい現実がひかえています。
家族が元気で乗り越えていけたらと、願っています。

わたくしとしては、
家族のサポートの他、草月のお稽古を基本からまた気持ちを入れて向かおうと思います。
アート探検は魂の元気、命の泉です。
いつでも素直に心動かせる精神を
持ち続け、血が騒ぐ発信元に出掛けたいと願っています。
もう一つは、文章との関わりもおろそかにならないようにじっくり構えたいと欲張りに思っています。

蛇年に因んで、しつこく粘り強く諦めない、これで参りたいと思います。

どうぞ、本年も宜しくお付き合いお願い致します。
皆様も良いお年をお迎え下さいませ。


東京国立博物館 東洋館リニューアルオープン! 

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待ちに待った東京国立博物館の東洋館がリニューアルオープンしました。
トーハクを訪ねても静かな東洋館の佇まいに寂しい思いを抱きつつ、
憧れの宝物に思いをはせることもしばしばでした。

表慶館に時々その所蔵品が出てきたり、
本館にも企画コーナーに登場したりしましたが、
あの天井の高い薄暗い建物のなかで醸し出される
一種独特な妖しげなタイムマシンのような
気配の中で見ることがこの上もなく好きでした。

2013年、このお正月にリニューアルオープンされると聞き、
続々とその建物の感想などをTwitterなどで伺いながらも
早くこの目で見てみたいとじれていました。

今日、いよいよの突撃突入してきました。
昨日の大雪の跡もまた一層博物館全体を美しく飾っていました。
冬の景色として堂々としたその建物に畏敬もささげます。



入り口のドアを越えて右に折れると
なんということでしょう!!







素晴らしいライティングのドラマチックな輝きの下に
あの東洋の仏様達がほほえんでお迎えしてくれたのです。

胸は小躍りしたまま、ぐるぐる廻ります。

iPhoneで沢山画像を撮ってきましたので、
ご紹介します。







ショウケースのガラスの存在を感じさせないことの凄さは
中国絵画の展示でしみじみ実感させられました。
あの紅白芙蓉図がちゃんと映っているのですから。



お茶碗のケースも驚きでした。








中国の堂々たる青銅器のカーブのケースは垂涎ものです。









それと大きな事は地下にも展示室が出来たことです。
クメール彫刻や東南アジアの陶磁器や染色、金銅仏像、などが楽しめます。







時間が許せばミュージアムシアター体験も出来るようになりました。

東洋館は「旅するギャラリー」というだけあって
シルクロードの世界を様々あちこち時代も抜けて
もの凄い集約濃度のなか堪能することが出来ます。

それにしても展示の仕方、照明でこんなにもドキドキワクワクする仕様に
なるなんて!!

上野から日帰りで東洋のタイムトンネルの旅。
大好きな場所が美しく妖しく復活して、この上のない喜びに満ちています。

取り急ぎ、お気に入り画像のご紹介でしたが、
初美術鑑賞がこの東洋館であったこと、本当にありがたい
至福、眼福なエリアとなりました。
ますますトーハク通いが楽しくなります。



博物館に初もうで ・東京国立博物館

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 今年の美術館巡りが様々所用と風邪引きですっかり出遅れましたが
 トーハク、やっと行ってきました。

 見目麗しい井浦新さまのご案内に誘われて東洋館のリニューアルを楽しんで
 本館へ行ってきました。
 もちろん「円空」展も素晴らしかったのですが、
 本館のことを忘れないうちに書いておこうと思います。

 新春特別公開の等伯「松林図屏風」
 光琳「風神雷神図屏風」には間に合わなかったのですが、
 それでも今年の干支の特集や、国宝室の雪舟「秋冬山水図」二幅を拝見することが出来ました。
 何度見ても、謎な妖しげな雰囲気です。
 
 仏教美術
 一遍上人伝絵巻が展示されてギョッとしました。
 ぐるぐる円陣を作って踊る躍動感ある生き生きとした描写が見事です。
 宮廷の美術
 現存最古の山水屏風(せんずいびょうぶ)はやや劣化して見にくいのですが
 この屏風が寝殿造りの屋敷の中にあったのかと思うと感動ものでした。
 また、佐竹本三十六歌仙絵巻断簡 住吉大明神 が展示されていて、
 トーハクの庭園に移転してきた応挙館で断簡を取引した逸話が生々しいけれど、
 名だたる数寄者が手放さない中、
 住吉大明神は歌仙がいない地味な絵なのでこうしてここに収まったのかも知れない、
 などと思いを寄せたのでした。

 禅と水墨画のコーナーには雪舟の先生とも言われた
 京都相国寺の周文の手かといわれる 伝周文「四季山水図屏風」
 解説に寄れば、お弟子さん達の作ではなかろうかということ。
 周文である、という確実なものがないそうですが、
 なかなか迫力のある豪快な屏風絵です。

 茶の美術コーナーには
 松永耳庵の収集品展示。
 渋い井戸茶碗、有楽(うらく)がお目見え。
 薄皮饅頭のような志野香合
 赤楽茶碗 銘 舟引 胴回りに黒い筋が良い景色です。
 右側と左側で随分雰囲気が違います。


 
 志野茶碗の橋姫も一緒です。
 
 屏風のコーナーには堂々の山水図屏風。
 彭城百川(さかきひゃくせん)の作。南画の先駆者と言われた人です。

 調度のコーナーに、
 光悦好みの漆芸、硯箱がありました。

 書画のコーナーには
 三井の国宝を彷彿とさせる応挙の「雪中老松図」
 芦雪の「呉美人図」がはっとさせられる美しい女性図です。
 
 次回の特別展、「王羲之」に関係して所々に
 蘭亭序、蘭亭曲水のテーマが並びます。

 浮世絵コーナーには
 おめでたい図柄がずらり。

 夜着の立派な鳳凰柄にさぞ夢も煌めき羽ばたくおめでたいものだろうと
 ため息でした。

 博物館に初もうで
 特集陳列「巳・蛇・ヘビ」
 いささか気味の悪い妖しい雰囲気が充満していました。
 五百羅漢の狩野一信 蛇の口
 椿説弓張月 為朝の大蛇退治 三枚綴り
 よきことを菊の十二支 国芳

 ドイツからはギョッとするリアルなお皿が!

 模本ではあるけれど、
 日高川草子、これが道成寺縁起物語の異本で
 「賢学草子」とも言われるもの。
 ヘビに変身した姫のものっすごいこと。追われる僧、賢学も真っ青です。




 そういうわけで
 能面 蛇も展示です。
 情念執念の化身、蛇は純粋であればこそ。
 胆松に白蛇 渓斎英泉 


 夫が年男となる一年、この妖しげなヘビ力で
 なんとか沈滞ブームを縛りつぶし、
 一歩でも明るい方向に進んでくれたらと願います。

 一階の仏像コーナーは
 円空展の流があって、ぜひにも立ち寄りたいところ。
 円空仏や木喰仏像も展示されています。
 
 狂言面 中世の笑い特集はユニークな面構えばかり。
 笑い、というのは姿、ということから始まったのでしょう。
 なんとも人間くさく、思わず吹いてしまう人相の人達でした。

 近代絵画の展示にも凄い修羅場がありました。
 修羅道絵巻 下村観山


 端折ってざっと見たのですが
 見所満載率がいつもながら満載でした。
 今年も一年トーハクにしっかり通おうと思ったのでした。

 円空さんはまた次回に。

2月半ばの美術鑑賞まとめ 

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すっかりご無沙汰、放置のブログでした。

この一ヶ月、突然の夫の鎖骨骨折、某同人誌への投稿、
草月の勉強、お稽古、助手の見習い、

などなどで身に余る様々が押し寄せてしまい、
ブログのお留守状態となってしまいました。

一月はそんな状況下、東博と三井記念の鑑賞で終わってしまいました。
しかし、やはり東博は掛け値なく奥深い魔界であったし、
三井のお茶道具シリーズの名品揃いには脱帽でした。

二月に入って、ようやく夫の鎖骨骨折状態も落ち着き、
骨がつくまではまだまだ時間がかかりそうですが、
その状態に慣れてきました。

堰を切ったように、濃厚な時間が続きました。

土曜日は、東京美術倶楽部での公開講座。
山下裕二先生の3回、白隠を学んで、
今回からは千葉美館長を退任された小林忠先生による
浮世絵の講義が始まりました。
温かなほんわりした佇まいから時々意表を突くジョークもあったりの
楽しい講義でした。
次回は先生お気に入りの春信の講義で、今から楽しみです。
また次回の公開講座の講師、講義が決まったようです。
ますますこの公開講座が楽しみとなりました。



日曜日は某同人誌の編集会議。
ギリギリ間に合って良かったこともつかの間、
できあがるまでの色々を同人の諸先輩から色々教わります。

月曜日は建国記念日。
この日は山種美術館の企画による講演会に参加してきました。
場所が母校、國學院大學の院友会館です。
卒業してからまったく学内に入ることなくすっかり近代的になった
学舎を横目で見ました。
もっと学ぶ気持ちがあれば良い環境にあったのに、
我ながら残念極まる不勉強な学生でした。
 
講義は山種美術館の顧問も務められる山下裕二先生による
 「私の琳派観」と題して1時間半ノンストップの濃厚なライブを
堪能しました。
先生のものの見方が実に自由で自らの目を疑わない、軸の太い感性に
いつもながらうかつに楽しんでしまって、
後からその重さに感嘆してしまうのでした。
もっとも現代の美術の目として私の目にもフィットする目印の先生です。
光悦・宗達から現代の会田誠まで日本美術の太いDNAの
不思議を縦横に語って下さいました。
講義の後、さっそく山種美術館へ展覧の鑑賞へ。
やはり、実物を見る、そのことのリアルさは誌面からはとても
伝わりきるものではありません。
コンパクトな図録も嬉しいお値頃千円。
このまま、このサイズでお願いしたいところです。
疲れた目と足に山種カフェで琳派デザインの和菓子とお抹茶を頂きました。
琳派は眺めるものじゃない、共に生活するものだと思ったのでした。



火曜日、昨日はサントリー美術館のメンバー内覧と学芸員のレクチャーも
企画されていて毎回の楽しみとなっています。
折しも歌舞伎座の改築記念開幕がせまってきたこの時期の開催できたことを
喜んで参加してきました。
「歌舞伎座新会場記念展 歌舞伎 江戸の芝居小屋」展の開催です。
新歌舞伎座の設計はサントリー美術館を設計した隈研吾さんということもあって、
隈さんからこの企画の申し出があったそうです。
学芸員の池田さんは以前の蔦屋重三郎、広重を担当されたそうで、
江戸文化ご専門なのでしょう。
しかし、勘三郎、團十郎を続けて失うとは誰も思わなかった悲運の
開場にはやはり寂しさが漂います。
しかし、歌舞伎の眩しさが凝縮された目眩するほどの展示品に
くらくらしました。
この際、いよいよ単眼鏡が欲しくなりました。
今回の目玉はチラシや、図録の表紙も飾った
徳川美術館からの歌舞伎図巻でしょう。2月25日までの展示です。
極彩色鮮やかで、表情豊かな人々が魅力満載に蠢いています。
他にも役者絵、小道具、衣装なども松竹からの協力もあって
盛り沢山となっていました。
展示替えスケジュールもあるので、あと一回は行かねばなりません。








ほか、出光美術館の「オリエントの美術」
いつもながらの安定した企画展示でした。
安心して身を預けて鑑賞できるお気に入りの美術館です。
アジアの端にある日本もアジアの一員であったことを
改めて確認できます。
リニューアルした東博の東洋館の別館でもあるかのような
中東イラン、イラク、エジプトの名宝に愛着もって鑑賞することが出来ました。
ここは3月24日まで。

これに平行して、團十郎を偲ぶテレビ放映の録画もしっかり見て追善しなければなりません。
直木賞受賞の「等伯」も読まねば。
なんと忙しい日々でしょう。
嬉しい日々には違いありません。

来週は今年の初文楽鑑賞です。

年初出遅れ感がありましたけれど、
マイペースを保ちながら、色々面白いこと見つけることが出来ればと
思います。
来月は花展に参加します。
チャレンジはワクワクするエネルギーになりますね!!

2月後半の美術鑑賞まとめ

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*Bunkamuraで白隠展

昨年から山下裕二先生の講義を聴いたり、
関連本を開いたり、早々に届いた図録を眺めたり、
森美術館で開催された「日本美術がわらう」展の図録を
探して手に入れて、
そこで見た白隠さんを確認したりして
白隠さんを追いかけてきました。
永青文庫にもまた行きたいな、とか、
細川家の至宝展で拝見したあの迫力ある乞食僧の絵を思い出したり、
数年前に出光美術館での書の展覧で
「動中工夫」の大胆な中という巨大かつ激しい文字に仰天したことを思い出したり。
一つ目小僧の意表を突く面相や、
ぬうっと出てきそうな達磨さんの妙な迫力。
すたすた坊主のどうしようもない脱力ぶりや、
おかめさんにお灸を据えられるだらしないおじさん。
これが禅画ですか。
仙厓(センガイ)さんと並び評されることもあるようですけれど、
お腹にある太さが黒々としてみなぎる力も
ハンパないことは追随する人はいないでしょう。

期待値を上げ上げでやっと白隠展に行ってきました。
もう、最初からニヤニヤものでした。
白隠さんが住職のお寺に参詣した気分です。

もはや、そもそもの人間の太さが違うんだと実感したのです。
破天荒な絵から凝り固まった脳みそが
解けていくような、
マジメでいることのばかばかしさみたいな
まぁ良いじゃないの、という達観にも近い気分に
させられるということが
さすが禅僧白隠さんです。
ナビゲーターが山下先生と井浦新さんの
掛け合いトークなので、イヤホンガイドもついつい
お借りしました。
この機会がきっと美術史の王道に白隠さんが
ぶっとく生きながらえることを確信したのでした。
山下裕二先生の深い愛情と執念の念願叶って、
白隠さんに見事光が当てられた桃源郷となっていました。
図録もコンパクトで秀逸美本でした。
編集は「日本美術が笑う」展図録と同じ匂いがする、
と思ったら同じ方。広瀬麻美さんという方。


*たばこ塩博物館 「さくらいろいろ」展
充実感を胸にせっかくの渋谷なので、たばこ塩博物館まで足を伸ばしました。
「さくらいろいろ」展
さくらにはほど遠い寒い日々が続いていましたが、
丁度サントリー美術館で歌舞伎展を開催しているタイミングで
あでやかな役者絵を堪能できます。
入場料が百円で
カラー刷りのコンパクト冊子を頂けます。
どんだけふとっぱらか。
日々、塩をまぶしまくりましょう。
江戸の桜と言えば隅田川、墨堤、浅草寺。
上野寛永寺。飛鳥山。
舞台では娘道成寺、桜門五三桐、助六などなど。
桜門五三桐で思い出しましたが、
歌舞伎界では猿翁不調で休演とのニュースに心配事が生まれます。
どうか、ご快復を。
役者絵の賑やかうっとりな三枚綴りは
晴れ晴れしく気持ちが必然と上がってきます。
「江戸花二人助六」
描かれているのは五代目松本幸四郎の意久、三代目尾上菊五郎の揚巻の助六、
二代目沢村田之介の揚巻、七代目市川團十郎の花川戸助六、
三代目坂東三津五郎の白酒売。
という、二人助六という珍しいもの。
あぁ、亡き十二代團十郎の助六とと菊五郎の白酒売の掛け合いは
本当に可笑しく微笑ましい一場面だったな〜と
思い出しつつ鑑賞したわけです。
芝居と言えば歌舞伎だった江戸時代。
かかる演目にあわせて着物や帯を選び、鍋一式を桟敷に並べて
つまみながらワイワイ鑑賞し、
芝居の帰りには贔屓の役者絵を買って帰る、
そんなことをタイムマシンで体験したいものです。

*第182回 文楽公演 「摂州合邦辻」
数日後、今年初の文楽鑑賞、国立劇場に行ってきました。
いつもお昼の部しか見られないのですけれど、
 今回は「摂州合邦辻」
ややこしいお家騒動の中、命懸けで家を護る一騒動。
賑々しく、親子、夫婦、恋敵、主従の様々な糸がこんぐらり、
お家を護るあまりに命全うしてしまうお話。
護る家があるという幸不幸。

そういえば、亡くなった團十郎さんが若い頃
住大夫さんの所へ出稽古に行ったシーンを
團十郎の苦闘ドキュメントでみたのですが、
口伝という厳しい現場を垣間見た迫力あるシーンでした。
声の出し方などを丁寧に厳しく教えられていました。
日頃の稽古のすさまじさを知らない者には
大変だ、の一言で申し訳ないことです。
鍛錬のたまものこそがお見せできる芸事に繋がるわけですね。

まだまだ文楽をみて日が浅いので
なんとも頼りないのですが、
ようやく、三味線の個性に気がついて楽しく思います。
人間国宝の鶴澤寛治さんが表情を変えず淡々と
親子の情や人の道を説く激しい場面を盛り上げると思いきや、
クライマックスの場面には若手の鶴澤燕三さんが
ガンガンロックに三味線を叩きます。
俊徳丸という綺麗な色男な若殿様をめぐる
色恋、お家継承、親子情、人の道。
玉手御前は俊徳丸の継母ですがお家のためとどういうわけか
色仕掛けします。もともと浅香姫というかわいい人がいるのにもかかわらず。
それで、二人がぶつかるシーンがあるのですが
これがまた激しい女の喧嘩戦い。
見苦しい戦いっぷりに唖然とするなか
開場からは失笑の渦。
女性のひとすじに思う気持ちのいじらしさは
過ぎると大変と言うことです。

いさめる親も大変です。

文楽は去年某市長の税の使い方に端を発して
賑やかな事でしたが、
決して伝統の古色蒼然としたものではなく、
もっとギラギラ人間くさいバタバタした無茶な物語が多いので、
芝居小屋を覗く気持ちでどんどんお出かけすることを
お勧めしたいです。
大夫さんのことばも段々と昔ことばに慣れてきますし、
カタログには台詞の小冊子が挟まれていて、
勉強になります。

なによりも人形が愛らしく美しいのです。
その人形遣いの修行もまた長々しいのですが
マジメにいい男が人形にひれ伏して物語を動かしていく
その現場のもの凄いこと。

次回は五月皐月の緑の時です。
曾根崎鑑賞を楽しみにします。

それ以外に、
同人誌の編集お手伝い、企業華道部のお手伝い、
来週に迫るいけばな展への準備、
などなど身に余る様々になんとか足手まといにならないよう、
気をつけなければならない日々が続きました。

三月弥生ひな祭り、
春が近づく、命が土の中から動いて生まれてきます。
力が生まれる3月となりますように。





いけばな協会展に参加してきました。

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 3月6,7日 両日に
 新宿高島屋で開催された「いけばな協会展」に今年初参加してきました。

 この展覧会はいままで上野松坂屋での開催でしたが、
 今年は新宿高島屋の開催となりました。

 通う教室の生徒さん達が毎年参加し続けてきたのですが、
 常連さんの事情があって、お休み中だったり
 何回かお手伝いしてきたので、
 今年、思い切ってみなさんとご一緒させて頂くことになりました。

 参加が決まってから
 さて、どんな花器を使おうか、
 花材は何を使おうかと悩むわけですが、
 3月の花材、二日間の開催に耐える花材、
 色々条件が生まれてきます。
 展示する場所や、サイズも大切な要素です。

 ギリギリにならないとイメージが湧いてこないものですが、
 最初に使おうとしていた
 シンプルなガラス花器では家で試し活けしても
 なにか物足りなく、心躍らなかったので、
 花器を決めるまでふらふら落ち着きませんでした。

 ようやく、去年飯能の窯で作った自作花器を使うことに決定。
 これならばなんとか形も妙だし、遊べるのではないかと思いました。

 花材はきっと周りの方々は春一番の枝だものを使われることと思ったので、
 あえて枝を使うことを避けることにしました。
 
 花屋さんで見つけたのは
 かすみ草、アスパラというグリーンの繊細な葉っぱ、
 それにユーココリーナという優しい小さな花、
 そしてピンクの小振りなチューリップ。

 野に咲く花に近い雰囲気で、ふんわりと仕上げてみたく思いました。
 
 会場へは一日前の5日、2時からいけこみをして、
 翌日は朝8時半には会場について手入れに入ります。
 学んでいる、草月流のほか、沢山の流派が一堂に会します。
 こういった機会はこのいけばな協会展があればこそ、
 実現するのではないでしょうか?
 それぞれの流派の家元クラスも圧巻の大作で参加されます。


 5日はとても温かな一日で、
 気持ちも春めいて楽しく花に向かえた気がします。
 高島屋の従業員通路などを通り抜けて
 やや緊張気味にいけ込みに向かいました。
 大体、これで良いという先生にチェックして頂いて
 あとは明日、会場が開くことを待つだけとなりました。
 周りのいけ込みも熱気を帯びていました。
 その現場の空気とか、気配とかはやはり行ってみなければわかりません。
 なんとか無事に明日がきますようにと帰宅したのでした。

 翌日、8時半前には会場入りして
 花の手入れをします。
 水を取り替えたり、水切りをし直したり、
 元の形に整えたり。
 9時半にはその手入れも終了し、10時に会場オープンです。


 
 ここまでくると、お疲れ様、と終わった気持ちになります。
 お客様の人数とかはもはや手の及ぶところではありませんから。
 でも、沢山の方が押し寄せて下さっているようだったので、
 ついでにご覧頂ければありがたい、そんな気持ちです。

 やれやれと思っているうちにお昼です。
 友人が訪ねてくれてお花よりもランチです。
 後からゆっくり見てもらいました。
 すると、昼過ぎには空調や、野外の気温のせいもあって、
 チューリップが咲きすぎてしまって、
 すぐに花を調達しなければならない状態に変化してしまいました。
 私の先生や、仲間の花材もなぜかくたびれてきました。
 花の緊急事態に花屋さんによって花材を調達しに行くこととなりました。
 翌朝、ラッシュに揉まれてはいけないので
 6時半過ぎの電車に乗って大切に運び込みました。
 お陰でなんとかその日一日を無事に花が持ってくれたので、
 ほっとしましたし、朝の手入れの重要性を実感もしました。
 
 友人知人達もワイワイ押しかけてくれて
 花よりも会えたことの方が嬉しい時間となりました。

 身内びいきで褒めてもらえたことも照れくさいけれど、
 やっぱり嬉しいことでした。

 今回は私の動ける平日のいけこみ、木曜日のあげばな(花を片付けること)を
 優先するとどうしても土日お休みの方々に声を掛けられず、
 またお仕事の方々にも新宿というアクセスもあって
 限られた方々にしかお声かけられなかったのですが、
 それでも、高校、大学の友人、文楽に通う友人達、
 親戚のいとこ、おばたち。
 喜んで見て下さったことが何よりの喜びとなりました。

 また、偶然ではありますが、
 東北大震災の当日、従妹宅で活けていた花がチューリップだったことで、
 私自身のなかでささやかな応援の気持ちも滲ませていました。
 どんなことがあっても
 花は咲き、見つけたひとの人の心をほっとさせる力があると
 信じたのでした。

 私の参加は2日間だったけれど、
 この2日間に至るまでの道のりや、
 先生達のご指導や仲間達との協力など、色んな事を
 集約できる良いチャンスだったと思います。
 家族の理解も(諦め?)有り難い事です。

 経済的にはなんの功績もなく、むしろ経費がかかるだけで
 少しも役に立つことはないのですが、
 会場内のお客様達のにこやかな顔は
 花の力を頂きながらも沢山の人の心に微笑みを届けられるのだとしたら、
 それはまたすてきなことだな、と幸せな気持ちになれました。

 7日の木曜日、6時の閉場と同時にさっさと後片付けをして、
 直ちに次の方へ場所を受け渡さなければなりません。

 悩ましい時間を思えば、片付けのなんと一瞬のこと。
 
 へとへとになりながらも、
 花材道具一式をキャスター付きバッグに押し込んで
 新宿を後にしました。
 怒濤の3日間でした。

 それにしてもお花の先生達のパワフルなこと。
 
 いけばなをしている人びとのお元気なこと。

 まだまだ学ぶことが多く、この歳でうろうろしていてはいられないのだと
 背中を押されました。

 来週は目黒雅叙園での花展が始まります。
 私は自分の先生のお手伝いに行ってきます。
 現場の体験は実に勉強になります。
 そういう機会を頂けることに感謝しています。

 自己アピールの花よりも、
 見て頂く方のためにそっとありたい、そんな花ができればと
 思った花展参加でした。
 
 見て下さった方々に、感謝です。
 機会を逃した方には次回、お目に掛かりたいと思います。

3月の鑑賞記録 

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 すっかりブログ更新を放置したまま、気がつけば
 桜満開も過ぎて桜舞い散る頃となってしまいました。

 ようやく、様々一段落して落ち着きを取り戻してきました。

 慌ただしい中でも、美術鑑賞の時間を見つけて
 久しぶりのアート脳に新鮮な空気を送り込めた気がしました。
 それでも、消化するには静かな時間がなくて
 PCに向かうことが出来ませんでした。

 駆け足で見てきたもの、残しておきます。

 *三井家のおひなさま 特別展示 酒のうつわ 
  三井記念美術館

 *遠州・不昧の美意識 名物の茶道具
  根津美術館

 *エル・グレコ展
  東京都美術館

 *時代の美 第4部中国・朝鮮編 
  五島美術館

 *大絵馬寺宝展と庭園拝観
  浅草寺特別展示館・伝法院庭園

 他、目黒雅叙園で開催中の
  いけばな×百段階段
 この機会に草月の先生のいけこみのお手伝いとして参加できたこと、
 とても有意義で勉強させて頂きました。

 また、草月会館での枝物を使っての講習にも参加し、
 その翌週には一年間の功労者への受賞式、
 講習成果を発表する、デモンストレーションを見学してきました。
 同時に、社中展もあり、とても充実した
 草月の日々を過ごしました。

 他、長年のお付き合いがある先輩が運営する同人誌の
 記念号へのお手伝いも無事終了です。
 
 展覧会感想をこれからも記事にしていきたいとは思いますが、
 もう少し簡略につめこまないように
 記事更新に自分に負担を掛けないよう、さらりと
 残せたらと思うようになりました。
 とはいいつつ、熱が入ると長々しくなるかもしれません〜

 また、愚息の大学受験生、高校3年生に進級という現実も
 生活のリズムに変化が生まれるかもしれません。
 某企業の華道部のお手伝いも月一回コンスタントに入ってきました。
 
 さまざま環境の変化が生まれてきますが、
 これからもアート鑑賞は生活の柱となっていくことには
 何も変わらないはずです。
 これからもゆるゆるお付き合いよろしくお願い致します。

三井家のおひなさま・特別展示酒のうつわ ・三井記念美術館

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 久しぶりに日本橋、三井記念美術館に行ってきました。
 相変わらず、重厚な落ち着きのある美術館で、
 気持ちが引き締まります。

 今回は「三井家のおひなさま・酒のうつわ」
 毎年、おひなまつりにあわせてのおひなさまを拝見するのが
 楽しみです。
 我が家に飾ることもなく、昔、北海道の祖母宅で見てきた
 段飾りの麗しさを思い出しつつもお内裏様よりも
 小道具のそのミニチュアのうっとり魅力のとりこになったことを
 懐かしく思います。

 そうはいってもここは財閥三井家のご立派な
 おひなさまたち。
 贈る方も頂戴する方もご立派、美しい御夫妻。
 人形を作る方もまた一流。
 ため息がもれます。

 茶道具はおひなさまを意識した
 可愛らしい取り合わせ、桜や、春の花鳥。
 銘が春を想起させるもの。
 遠くからでも乾山のわらびの愛おしい絵付け茶碗が見えました。
 
 同時に水野年方の
 「三井好 都のにしき」シリーズ。
 何とも近代の香りのする麗しいしっとりとした絵でした。

 垂涎だったのは、
 特別展示の「酒のうつわ」
 朝鮮陶磁器の杯やら、
 とても現代的なデザインの
 色絵縞文盃 吉田屋5客 にはすっかり魅了されてしまった。

 お雛様を飾り、姫様達の無事の成長を祝い、
 その家の隆盛を祈願して
 祝い膳、祝杯を傾けてきた優雅な時間を垣間見てきました。

 我が家にも小さなおひなさまを飾り桜餅を食べ、春を慶びました。

 4月7日まで開催中です。

 三井のサイトはこちら 

 次回は河鍋暁斎!!こちらも楽しみです!

遠州・不昧の美意識 名物の茶道具 ・根津美術館

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 三井記念の春の茶道具を見た後、
 日を改めて
 茶道具好きの友と根津見術館を訪ねました。
 
 江戸の大名茶人の遠州と不昧
 この二人の美意識を茶道具を通して感じてみようという
 展覧でした。

 さすがの渋さ、侘びさ、枯淡好みにはたまらない展覧でした。
 根津の所蔵品として重要な位置にある名品揃いに
 しばし浮世から離れ、名品の放つオーラに包まれました。

 「綺麗さび」といわれた遠州の趣味は小気味よく、
 利休の緊張した研ぎ澄まされた異空間作りとは離れ、
 もっと緩く楽しむ、そんな開かれた遊びを感じられる美意識が大好きです。
 利休の弟子、古田織部に茶を学んだといわれた人。
 茶の持つ空間美術を表すための建築、造園、など多岐にわたって
 才能を発揮してます。

 茶入れにふっくらとした銘 空也 がありました。
 銀座にある最中の空也をふと思い出しましたが、
 小振りな振り出しのようでとても愛らしい姿でした。

 その遠州の美意識を150年後に収集した、松平不昧公。
 出雲松江の藩主でした。
 殿方の洗練された趣味を見るようで、
 とても引かれた名品揃いの展示でした。

 それぞれの銘にまつわる消息などの展示も興味深いものです。
 茶道具の凄さは伝来がしっかり明らかだということでしょう。
 突然そこにあるのではないという歴史の生き証人でもあるのです。

 隣の部屋には大雅と良寛の書。
 なぜか、白隠さんの「親」も参加していて
 とても嬉しい気持ちになりました。
 年初は白隠さんで開けたのですから。

 良寛さんの脱力した文字に風を感じます。
 ただ「天地」と書かれた軸が二幅並んでいましたが、
 力のある「大天地」はそれを神様だと崇めて拝んできたという
 エピソードが興味深かったのですが、
 その隣のひょろひょろした「小天地」の落差がありすぎて
 良寛さんの脱力ぶりにまた脱帽しました。
 
 2階の展示には春らしい展示。
 お雛様とその道具達。
 明治期のものであっても品格のある一式でした。
 お茶道具室には
 「花見月の茶」
 畳のお茶室しつらいに
 紀貫之集 伝藤原行成の筆、
 高取の水指
 御所丸のお茶碗。
 月夜のお茶会なんでしょうか。
 渋い取り合わせでした。
 あそこに月を愛でる人びとが春の訪れを
 慶びつつお茶を楽しんでいたのでしょう。
 風雅、という一陣の風が吹きました。

 中国の青銅器の一群は相変わらずの迫力を放っていました。
 
 今回はゆっくり庭園をお散歩することにしました。

 画像をご紹介します。
 次回は燕子花です。藤棚の花房も気になりますね。 
 根津美術館はこの庭園とセットで自然の移ろいを感じられる
 大切な場所です。
 緑に囲まれた頃、また庭園散歩に繰り出したいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時代の美 第4部中国・朝鮮編 ・五島美術館

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 改装のために2年ほど休館だった五島美術館、
 去年の秋からようやくリニューアルオープン。

 もっと早く訪問したかったけれど、
 なかなかタイミングをつかめずにいましたが、
 やっと念願叶いました。

 オープン記念の展示も第1部からすでに第4部最終、
 会期も最終日に近づいていました。
 丁度誕生日記念ともぶつかったので、
 良い記念の再訪となり、嬉しさも倍増でした。

 外観は以前と変わらない様子ですが
 一歩中に入るとすっきり整理され、
 以前、休憩室だったところに新たな展示室が生まれました。
 ショップが受付の左手に見やすいコーナーとなり、
 その奥がロッカー、トイレとなりました。
 素晴らしい庭園は4月5日からの解放で、
 お散歩することは叶わなかったのが心残りでした。
 これからの緑の季節がまた楽しみです。

 さて、展覧は、「時代の美 中国・朝鮮編」
 いつもの場所で
 愛染明王坐像の力強いお姿に導かれます。
 入ってすぐにケースのガラス、照明が新しくなったことが
 わかります。
 どうかわったのかと説明が難しいのですが、
 肉眼で邪魔な光源がない、そんな気がしました。
 重厚な雰囲気の中、
 玉、金工、彫刻、墨跡、古版本、陶芸などなど国宝、重要文化財クラスの
 逸品がこともなげに並んでいます。
 紀元前の時代からのものつくりの精巧さ、精密さに
 当時の日本がどのくらい中国を目指し、憧れたことでしょう。
 墨跡にはまだまだ不勉強で、茶掛けに重宝した立派なものなんだろうな、
 と思うばかりです。
 絵画や、陶芸が並ぶと俄然元気が出てコレクションのレベルの高さに
 改めて感嘆したのでした。
 伝・はつくけれども、牧谿、馬麟、徽宗皇帝など、超一流の作品。
 陶磁器では磁州窯、龍泉窯、景徳鎮窯、からの逸品。
 中国の陶磁器のレベルは世界中を魅了してきたことに納得させられます。
 こちらからもチェックできます
 版本の版木もまだ残っているらしいけれど、
 その印刷された本の文字の切れ味の良いこと。
 日本の浮世絵の元祖のような美しい古版本。

 朝鮮のものはなんといっても陶磁器。
 五島美術館サイトからもチェックできます こちら
 青銅銀象嵌蒲柳水禽文浄瓶
 これは楽しい文様で、柳の枝にブランコをくくりつけて
 子ども達が遊んでいる様子がとても楽しげに描かれていました。
 全く技の繊細さに呆れて見つめました。
 つるつるの白磁壺、
 粉青粉引祭器の剛胆な形にはいつも見とれてしまいます。
 井戸茶碗、熊川茶碗の茶味溢れた姿にもうっとりでした。

 五島美術館の美の友会員となれば、
 月2〜3回の素晴らしい講習会に参加できます。
 自宅がもう少し近ければ即断して入会するのですが。
 
 次回は4月6日から五島美術館のお宝、国宝源氏物語が登場します。
 「春の優品展 和歌の世界」
 ぜひ、庭園散歩とあわせて楽しみたいと思いました。

 この展覧は3月31日に終了しました。

ブログ急遽引っ越し?

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なぜかブログを急遽引っ越し?の事態に。
取り急ぎ、アクシデントに振り回されてます。
うまく続けられますように。

ブログ 引越は無事回避されました。

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 一昨日のgoo ID変更につき、
 深夜バタバタ対応していたら
 謎なことのスパイラルに嵌まってしまい、
 慌ててしまいましたが、
 
 無事、いつものブログ更新が続けられるようになりました。

 なにしろ、IT音痴が適当にやっているので、
 仰る意味が不明のまま適当に続けていることの
 怖さを知りました。

 それにしても、なんとかなったので、
 安堵安堵。

 お騒がせ致しました。

 これからも引き続きよろしくお願い致します。

 
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